2021/06/14 16:20





奈良県宇陀市は、県の北東部に位置し、奈良県の中でも寒さの厳しい地域です。そんな土地で育つ作物は、ゆっくりと成長するため、栄養や旨味が凝縮されていると評判です。


奈良に日本最初の都が置かれたことはご存知の方も多いと思いますが、宇陀はその都、とくに皇族の健康を支えた薬草の地として重要な地でもありました。日本書紀には、日本最初の薬猟りの地として、宇陀市にある「かぎろひの丘」が登場します。推古天皇の時代、「かぎろひの丘」は禁猟区とされ、皇族のみが立ち入ることのできる薬草採取の場所でした。


子孫を残すことが重要な任務のひとつであった皇族にとって、それほどに重要な場所であったのは、宇陀には無機水銀の鉱脈があり、良質な薬草や作物が育ち、それを食べに集まる野生動物(薬となる鹿など)が多くいたことが理由だったのでしょう。そんな薬草の地として継がれてきた宇陀市には、日本最古の私設薬草園もあり、現代の薬草好きの方が集まる地ともなっています。


しかし、全国の地方都市同様、高齢化と過疎化が進み、この貴重な文化を引き継ぐことが困難となってきているのも事実です。ぜひ、「大和かぎろひ」を通して皆さんに宇陀の素晴らしさを感じていただき、この地と文化を残していく応援をしていただけると幸いです。